専門職課程2年間の研究室生活
※本学の大学院は専門職学位課程(教職大学院)であり、地理学の内容論をもとに教育実践や教材開発を実施し、教育実践研究報告書の執筆をもって専門職の学位を授与します。修士課程ではありません。その点を留意してください。在学中に、学校現場での実習(P1 4週間、P2 6週間)を通して教育実践と効果検証を行い、教育実践研究報告書を提出することで、教職修士(専門職)の学位を授与されます。受験前に、小倉まで必ず問い合わせをお願いします。
教育実践研究報告書のテーマ決定・研究遂行の基本方針
高校時代に地理を履修していない方でも全く問題ありません。
小倉ゼミでは、自然地理学(地形学・GIS)に関連する研究テーマを指導しています。
研究テーマは柔軟に受け入れておりますが、必ず事前に相談してください。研究テーマは、興味のあるテーマを進めてもらう方式(持ち込み型)と、小倉が進めているプロジェクトのテーマの一部を担当してもらう方式(プロジェクト型)の両方が想定されます。
研究に係わる旅費は、原則自己負担です。
ただし、プロジェクトのテーマの一部を担当してもらう場合は旅費補助があります。小倉研究室の大学院生は、原則春・秋の年2回学会発表を行ってもらいます。
大学院生は、研究を進めるために定期的に追い込みをかけるため、必須です。定期的に進捗を生むようスケジュール管理を綿密に行いましょう。教育実践研究報告書は、積極的に社会に出せるよう学会誌の査読付き論文として投稿することを目指します。
大学院生は、P2 2月以降に必ず論文投稿作業を行ってもらいます。兵庫教育大学には、地理教育ゼミ(濵野先生)もあります。
地理教育全般や、カリキュラムに関する実践研究を希望する場合は、そちらをおすすめします。
2年間のスケジュール
P1 研究テーマを追究する
4月
研究室訪問
社会系教科マネジメントコースの教員のもとへ研究室訪問を行い、指導教員を決めます。4月中には決まります。
大学院生の配属は、社会系教科マネジメントコースの教員の合議によって決まります。現職教員学生対象研究経費助成
現職教員院生には、4月の早い時期に学内の研究助成に応募してもらいます(10万円)。
ここで、自身の研究テーマの方針を決めます。
5月-8月(P1前期)
論文紹介
月に1回、論文紹介を行ってもらいます。ゼミで紹介する論文は、10年以内に出版された査読つき論文の論説・原著論文に限定しています。
論文紹介では、PowerPointでプレゼン、Wordでレジュメを作成してもらいます。学部生と合同でゼミを行います。
ストレート院生は英語論文(日本人著者)を紹介してもらいます。
現職教員は地理学の内容論や地理教育の学術論文を読むことに慣れてもらい、学部3年生と一緒に論文紹介に慣れてもらいます。大学院での研究テーマの明確化
研究テーマを策定していきます。大学院生は、テーマを早めに決めないと実習で行う研究活動が定まらなくなってしまいます。
前期は授業も多いため、学習指導要領や教科書の分析・整理を中心に行い、自身の研究テーマ策定に役立てます。教育実践基盤実習の準備
ストレート院生は、1年次の実習(教育実践基盤実習)の準備を行います。(現職院生は、教職経験により免除になることがあります。)
院生カードの作成、実習校マッチング、実習校訪問→実習の時期の決定を行います。
院生に先導してもらって、実習校とのコミュニケーションをとり、実施単元と研究実践校との調整などを行います。
現職教員も、2年次の実習に向けて実習校(勤務校)へ赴き、実習に必要なことを調整していきます学会発表
小倉研究室の大学院生は、原則春・秋の年2回学会発表を行ってもらいます。
前期は日本地球惑星科学連合(JpGU)に参加してもらいます。
ストレート院生は、学部4年の2月に要旨を提出します。現職教員は、オンラインで聴講してもらいます。卒業論文の査読誌への投稿
ストレート院生は、P1前期に、卒業論文の査読誌への投稿を目指してもらいます。
論文執筆は、教材研究の最たるものです。教科内容の知識・技能習得の証左にもなります。ゼミ合宿
例年5月のGW明けにゼミ合宿を行います。地理教育ゼミと合同です。ティーチング・アシスタント、研究補助等
ストレート院生には、授業の補助に積極的についてもらいます。また、研究補助のアルバイトも委嘱します。
8月-9月(夏休み)
授業は休みですが、大学院生は各人の研究を進める期間です。
教職大学院は授業が多いため、まとまった時間がとれる夏休みに研究をしっかり進めていきましょう。夏休みサブゼミ
8月・9月にそれぞれサブゼミを実施します。大学院生は、主に研究の進捗報告を行います。学部ゼミと合同です。現地調査
教材作成のために、フィールドワークや文献調査などを行う場合があります。
教員と綿密に相談しながら、生きた教材を現地で収集する必要があるでしょう。兵庫教育大学大学院同窓会研究助成金への応募(ストレート院生)
ストレート院生は、学内の研究助成へ応募してもらいます(1年3か月・20万円)。
研究計画書を書くプロセスで、P1前期に設定した研究テーマをもとに今後どのように研究を進めていくのかを明確化します。夏休みの宿題
夏休み中にもしっかり論文を読んでもらいます。査読付き論文を最低5編読んで、レジュメを作成してもらいます。地理学特論演習のティーチング・アシスタント
学部生への研究指導補助を通して、フィールドワークの技能を身に着けてもらいます。
10月-1月(P1後期)
論文紹介と研究進捗報告
後期も、査読付き論文の紹介および研究の進捗報告を行います。
後期は、ストレート院生、現職教員院生問わず英語論文(日本人著者以外)の紹介を行ってもらいます。学校教育基盤実習および教科指導力向上実習の準備
各人が実習に向けて準備を進めます。
実習を行う前に、学習単元計画、学習指導案、学習効果検証の計画などを綿密にとっていきます。
社会科教育学に限らず、教育工学、心理学などの論文も読みながら、適切な教育実践の評価ができる実習準備とします。学校教育基盤実習(4週間)ストレート院生のみ
実習校へ行き、実践を行います。一種免許を持って実習に赴くのですから、決して「場慣れ」の感覚では臨めません。学会発表
小倉研究室の大学院生は、原則春・秋の年2回学会発表を行ってもらいます。
後期は、日本地形学連合、地理情報システム学会、日本地理学会春季学術大会を想定して発表してもらいます。P1中間発表会
社会系教科教育実践研究で開催される、研究テーマに関する中間発表会にエントリーします。実習リフレクション
社会系教科教育実践研究で開催される、実習リフレクションに参加します。
2月-3月(春休み)
P1実習の結果まとめ、JpGU学会発表要旨の作成
P1の実習で得られた成果の分析を行います。その結果をもとに、日本地球惑星科学連合(JpGU)の発表準備を行ってもらいます。春休みサブゼミ
研究の進捗報告を行ってもらいます。春休みの宿題
春休み中にもしっかり論文を読んでもらいます。査読付き論文を最低5編読んで、レジュメを作成してもらいます。
P2 研究成果をまとめる
4月-8月(P2前期)
ゼミ
P1と同じく、月1回のゼミ発表をこなしてもらいます。現職教員学生対象研究経費助成
現職教員院生には、4月の早い時期に学内の研究助成に応募してもらいます(10万円)。学会発表(日本地球惑星科学連合)
小倉研究室の大学院生は、原則春・秋の年2回学会発表を行ってもらいます。
前期は日本地球惑星科学連合(JpGU)に参加してもらいます。教科指導力向上実習(6週間)
ストレート院生、現職教員院生ともに教科指導力向上実習へ行きます。
この教育実践をもとに、集大成となる教育実践研究実践報告書を執筆するため、ゼミ合宿
例年5月のGW明けにゼミ合宿を行います。地理教育ゼミと合同です。
8月-9月(夏休み)
授業は休みですが、大学院生は各人の研究を進める期間です。まとまった時間で進捗を生みましょう。
社会系教科教育実践研究・中間発表会
例年9月1日に、社会系全体の中間発表会があります。夏休みサブゼミ
8月・9月にそれぞれサブゼミを実施します。大学院生は、主に研究の進捗報告を行います。学部ゼミと合同です。追加の現地調査
教材作成のために、フィールドワークや文献調査などを行う場合があります。
教員と綿密に相談しながら、生きた教材を現地で収集する必要があるでしょう。夏休みの宿題
夏休み中にもしっかり論文を読んでもらいます。査読付き論文を最低5編読んで、レジュメを作成してもらいます。地理学特論演習のティーチング・アシスタント
学部生への研究指導補助を通して、フィールドワークの技能を身に着けてもらいます。
10月-1月(P2後期)
研究進捗報告
後期は、研究の進捗報告メインです。学会発表
小倉研究室の大学院生は、原則春・秋の年2回学会発表を行ってもらいます。
後期は、日本地形学連合、地理情報システム学会、日本地理学会春季学術大会を想定して発表してもらいます。教育実践研究報告書の執筆・提出
2月
最終発表会
社会系と地理系の2つで発表会を行います。教育実践研究報告書の投稿論文化
優れた論文を書いたら、積極的に学会誌に投稿しましょう
3月
大学院修了→教職修士(専門職)の学位を授与
ゼミでの発表ルール
発表時間:1人あたり発表20分、質疑応答15分
十分に他のゼミ生の論文も読んできてください。
発表資料の作成論文の内容をレジュメ(Wordファイル文字2ページ程度+図)とPowerPointを用いたプレゼンテーションファイルを作成してください。
レジュメと発表資料は、Teamsのフォルダにアップロードしてもらいます。印刷の必要はありません。レジュメはPDFに変換してください。
ゼミでは、プレゼンテーション技術に関するアドバイスも行います。授業づくりにも必須の技能です。ここもおろそかにしないように。